Genta Suzuki Exhibition “Gentle Light”
鈴木玄太展『穏やかな光』
白オリーブカット花器
赤オリーブカット玉花器
オリーブカットは一回削るとオリーブの実のような形に削れるので、そう名付けています。冷めてから表面をひとつひとつ目で見ながら削っていきます。磨き上げすぎない方法を独自で考えていますので、お花が入った際に茎が見えすぎず、光が当たった時にも影が綺麗です。どこにでもさりげなく飾れるので、散歩の途中に摘んできた花など野の花が似合います。
いん石キャンドルスタンド
真ん中に大きなグラスの塊をつけていて、アンバランスの妙が楽しいデザインです。不思議な石=いん石のイメージからきています。アンバランスでも安定感はあり、真ん中の塊(いん石)の部分にローソクの灯が映って綺麗です。修行時代を過ごしたスウェーデンでは、毎日ローソクの灯で食事を楽しんでいました。ローソクの灯のゆらぎは心を落ち着かせるので普段の生活にも取り入れると良いと思います。
折り紙小鉢 (5客)
熱いうちにグラスを4ヶ所、均等に切っています。グラスが切れる不思議さを感じてもらえればと思います。形がおもしろいので、お客様に出すと驚かれ話題になる楽しい器です。小さい頃、祖母と一緒に折り紙で作った形から名前をとっています。
赤エミリ三角コップ
三角形のコップというのはありそうでないデザインだと思います。ヴェネチアでの修行時代に目にした六角形グラスの制作現場が強い印象に残っていて、角があるグラスを作ってみたのかもしれません。三角という形は辺の数が最小でインパクトがあります。角があるので片口のように角から飲むとスルスルと飲みやすいです。ビールのほか、スティック野菜やお花を入れても。この作品を製作中にスウェーデンの友人に子どもが生まれ、赤ちゃんの名前にちなんでエミリと名付けました。
片口/百盃
丸、三角、楕円、沓形など色んな形を100個作って発表したことがあり、100個の盃から百盃となりました。グラスの良さそのままを出すように、透明感を大切に作っています。山に入り、川の水を手ですくって飲むと美味しい、手のひらは器の原形だと思います。自然に手のひらで飲んでいるような心地よさ、百盃は生まれたてのような透明感と柔らかさを目指しています。盃を色んな形で持っておくと、選ぶ楽しさがあり冷酒が楽しく美味しく飲めます。
緑六角和グラス盃
和グラスは金型に吹き込んだ作品です。口の部分が西洋のグラスの製作方法とは違い、少し縁が残っているのが特徴で、口当たりがシャープになります。粘土で原型を丁寧に作り、石膏型にして鋳物屋さんで金型を作ってもらいます。粘土型の段階でいかに優しく丁寧に緻密に作っているかが、作品の最後まで影響してくると思っています。冬に濁り酒を入れるのが好きですが、じゅん菜のようにするっといただくお料理を入れても楽しいです。
白オリーブカット蓋物
祖父(二代目鈴木表朔)の蓋が実家から出てきたことから蓋物を作り始めました。この蓋は漆の塗り蓋で、祖父の弟子の漆職人に依頼しましたが、その方も最近は高齢を理由に作ってくれなくなったので寂しい気がしています。この作品はグラスから中が少し透けて見えていて開ける楽しみがありますし、蓋を開けるとグラスに光が入り綺麗です。お正月など特別な時や普段にもお菓子を入れて何人かで楽しんでも良いと思います。
黒梅 (5客)
梅のようなやわらかな五弁の作品。型というほどピシッとしていない、なんとも説明しにくい道具を使ってやわらかな五弁を出しています。少し青みがかったグレーはグラスでは珍しく、お料理がとても映える色だと思います。デザートにも使えます。
うずまきグラス
初めて発表する作品です。今まで盃サイズで作っていたのですが、今回コップサイズを作って見ました。すぼまった部分があるので持ちやすいです。足の部分をうずまき状に積み上げているのが特徴で、飲みものにもスプーンを使うデザートにも使えます。